去る12/21(日)、金沢市内にて全国教室ディベート連盟(NADE)北陸支部主催による
「2014年度北陸地区高校生ディベート大会」
が開催されました。
論題は「日本は首相公選制を導入すべきである。是か非か」でした。
私は同連盟の近畿支部所属ですが、派遣審判として参加しました。
試合コメントで留意した点は主に次の2つです。
1. ラベリング、サインポスティングは極めて重要
2. 反駁は「反証」してなんぼ
1点目について。
話し手となるディベーターは聴衆である審判に対して自分たちの主張を展開します。
審判はそ展開された議論を聞き、その中で
より正確に審判に自分たちの主張を伝えるための工夫としてはどんな例があるのか。
ラベリング:小見出し(ラベル)をつけること
サインポスティング:どの議論に対して話を展開するかを示すこと
争点となる数が多くなれば多くなるほど、いったいどの議論に対しての話なのか、すぐには追えなくなるケースがしばしば起こります。
その際、どの議論に対しての質問、反論なのかを具体的に明示してくれると、すんなりと議論の中身をフローシートにメモできるわけです。
また、それぞれの議論を展開する前に、小見出し(ラベル)をつけてくれると、理解が進みやすくなる場合があります。
例えば、証拠資料を引用する際に、どんな証拠なのかの概略を先に言ってくれると、予備知識が入った状態で証拠資料の内容をメモできますから、フローシートに残りやすいわけですね。
逆に、これらを疎かにすると、トンデモナイ誤解をされたまま試合を終える…なんてことが起こり得ます。
私自身、高校2年生のときに、これらが原因で審判を説得できず、全国大会出場を逃した経験があります。
今大会でも、適切なサインポスティングをせず、全く違う解釈ができる証拠を引用したことも重なり、審判の間で議論の取り方が大きく異なり、結果として判定が割れるといったことがありました。
2点目。「反駁は『反証』してなんぼ」について。
ディベートの試合におけるパートには、第一反駁、第二反駁と、それぞれの立場で2回ずつ反論の機会が用意されています。
相手の主張の矛盾点、論理的におかしな点などに反論していき、かつ自分たちの主張を守るパートです。
今大会でもそうでしたが、頻発する反論としては次のものです。
「この事象が起こりうる可能性は低い、起こるかどうかわからない」
反論としては成立するにはしますが、これでは相手の主張を論破するには至りません。
さらに一歩進んで
「それは違います!」
と理由付きで主張すること、これこそが「反証」であり、積極的に議論を戦わせるのに必要な考え方です。
「その事象は起こり得ない」
「起こっても重要ではない」
「むしろ逆の立場の主張になる」
「全く関係ない議論だ」
いろいろ方法はありますが、相手の議論に乗っかった反論ではなくて真っ向から勝負してほしいなあと思い、コメントで取り上げた次第です。
今大会ではクリスマス直前ということもあってサンタ帽を被って主審をしていました。
上記がサンタに扮した私から北陸地区高校生ディベーターへのクリスマスプレゼントでした。
この北陸地区大会、実は大会開催が3年ぶりとか。
開催に漕ぎつけたNADE北陸支部の皆様の並々ならぬ思いを感じ取りました。
参加した高校生たちも、大会後に皆が満足そうな笑顔を浮かべていました。
大会に関われたことを光栄に思えた、余韻の残る大会でした。